「 年別アーカイブ:2020年 」 一覧
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2020/10/27 -宗教哲学
アダムは930歳で死んだそうだ。 アダムという名前はヘブライ語の「土」(アダマー)に由来していて、その名の通り、最後は彼自身がそこから作られたところの「土」にかえっていった。アダマー(土)に由来するア …
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2020/08/28 -子どもの頃
日記が復活したのは、彼女にフラれたその秋ごろからである。 未練たらたらに彼女のことばかり考えてしまい、それでも昼間は友人としゃべったり気持ちを聴いてもらったりして――友人はいい加減うんざりしていた―― …
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2020/08/25 -子どもの頃
最初のページにはじめて書いたのは、クラスの友人2人が泊まりに来た次の日、思い立って神戸のポートピア博覧会に遊びに行った時のことだったと思う。新しい学年になって新しくできた友人と遊んだポートアイランドで …
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2020/08/23 -子どもの頃
高校2年生の時、クラスメートのYが「お前も日記をつけろ」と勧めてきた。聞くとYは3日前から日記をつけ始めたという。3日前からはじめたばかりのことをよくこれだけ自慢げに自信を持って人に勧められるなあと感 …
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2020/08/15 -宗教哲学
ひっかけ橋での鉛筆画似顔絵パフォーマンスは回を重ねるたびに客がつくようになった。いろんなところから観光客や買い物客が集まり、ときには、フライト間の休暇で立ち寄った外国の航空会社のCAさんたちや、Vリー …
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2020/08/01 -絵のこと、芸術のこと
グリコの看板が見下ろす「ひっかけ橋」で、わたしは絵を描き始めた。いや、正確に言うと「描き始めた」のではなく、それまでに描き溜めていた鉛筆画を橋の上に並べて「売り始めた」のだった。 値段のつけようがない …
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2020/07/31 -絵のこと、芸術のこと
鉛筆画 似顔絵 ひっかけ橋わたしは相当人生に迷ってきたし、若い頃は仕事も中途半端な辞め方や始め方をしてきたと思う。20代の中ごろに長く入院せねばならなかった時期があって、医者からも予後も相当悪いと告げられていたので、どうせ誰で …
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小学生の頃、夏休みは永遠に続くかのように思えた。夏休みの手前では、夏休みが終わった後のことを想像することもできなかった。そんな日があることも思い浮かばなかった。夏休みよりも向こうにあるものは、夏のまぶ …
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2020/07/18 -書評, 絵のこと、芸術のこと
前回の第1巻の冒頭について書いてから、しばらく続きを書けていない。まずは仕事が鬼ほど忙しいこともあるが、結局「書評を書くために再度読む」ことがいやなのだ。 紡木たくの世界――とりわけ『瞬きもせず』の世 …
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2020/07/14 -絵のこと、芸術のこと
こいぬ 絵本 鉛筆画 早川義夫 たましいの場所「義兄は絵が上手だ。ものの形や表情をちゃんとつかんでいる。しかし、何だろう。じーんとは来ない。きっと、絵を描いているからで、自分を描いていないからだ。」(早川義夫著『たましいの場所』(ちくま文庫)よ …