「 絵のこと、芸術のこと 」 一覧
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2020/08/01 -絵のこと、芸術のこと
グリコの看板が見下ろす「ひっかけ橋」で、わたしは絵を描き始めた。いや、正確に言うと「描き始めた」のではなく、それまでに描き溜めていた鉛筆画を橋の上に並べて「売り始めた」のだった。 値段のつけようがない …
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2020/07/31 -絵のこと、芸術のこと
鉛筆画 似顔絵 ひっかけ橋わたしは相当人生に迷ってきたし、若い頃は仕事も中途半端な辞め方や始め方をしてきたと思う。20代の中ごろに長く入院せねばならなかった時期があって、医者からも予後も相当悪いと告げられていたので、どうせ誰で …
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2020/07/18 -書評, 絵のこと、芸術のこと
前回の第1巻の冒頭について書いてから、しばらく続きを書けていない。まずは仕事が鬼ほど忙しいこともあるが、結局「書評を書くために再度読む」ことがいやなのだ。 紡木たくの世界――とりわけ『瞬きもせず』の世 …
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2020/07/14 -絵のこと、芸術のこと
こいぬ 絵本 鉛筆画 早川義夫 たましいの場所「義兄は絵が上手だ。ものの形や表情をちゃんとつかんでいる。しかし、何だろう。じーんとは来ない。きっと、絵を描いているからで、自分を描いていないからだ。」(早川義夫著『たましいの場所』(ちくま文庫)よ …
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2020/07/05 -書評, 絵のこと、芸術のこと
紡ぎたく、瞬きもせず、ホットロードこの1ページ目から音が聞こえる。夏のクラブの練習日。金属バットのノックの音。フェンスのこちら側は木陰になってて、向こうの広い校庭はあふれる光でまぶしくて見えない。球児たちの自転車か、その他の生徒たちの …
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2020/07/01 -書評, 絵のこと、芸術のこと
ホットロード, 瞬きもせず, 紡木たくその日、雨が降っていてとくにすることもなかったので本屋に出かけた。目当ての本はなかったが、ぶらぶらと本棚を見て回ることはとても心地よかった。 1~2冊の新書を手に取ってレジに向かう途中、漫画本が平積み …
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2020/05/25 -絵のこと、芸術のこと
pencildrawing, 下校, 印象派, 鉛筆画, 雨の下校, 高校生1996年、奈良県立美術館で開催された「印象派の巨匠展」で出会った一枚の絵があった。絵の前で立ち止まってしまい、いつまでも引き込まれるようにその絵を見つめ続けた。ギュスターヴ・カイユボットの『ジュヌヴ …