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紡木たく『瞬きもせず』書評その後

前回の第1巻の冒頭について書いてから、しばらく続きを書けていない。まずは仕事が鬼ほど忙しいこともあるが、結局「書評を書くために再度読む」ことがいやなのだ。 紡木たくの世界――とりわけ『瞬きもせず』の世 …

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「こいぬ」とかなしみ~絵の話

 「義兄は絵が上手だ。ものの形や表情をちゃんとつかんでいる。しかし、何だろう。じーんとは来ない。きっと、絵を描いているからで、自分を描いていないからだ。」(早川義夫著『たましいの場所』(ちくま文庫)よ …

紡ぎたく『瞬きもせず』第1巻

この1ページ目から音が聞こえる。夏のクラブの練習日。金属バットのノックの音。フェンスのこちら側は木陰になってて、向こうの広い校庭はあふれる光でまぶしくて見えない。球児たちの自転車か、その他の生徒たちの …

紡木たくについて

その日、雨が降っていてとくにすることもなかったので本屋に出かけた。目当ての本はなかったが、ぶらぶらと本棚を見て回ることはとても心地よかった。 1~2冊の新書を手に取ってレジに向かう途中、漫画本が平積み …

『夏の花』 原 民喜

2020/07/01   -書評
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私は街に出て花を買ふと、妻の墓を訪れようと思つた。(中略)その花は何といふ名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかつた。(本文より) 深い悲しみが、静かで節度を持った言 …

「雨の公園」という名前のこと

公園の思い出はいくつかある。 実家の近所にもいくつかの公園があって、小学校の頃は近所に3つほど、少し足を延ばした隣町に2つほどの公園を「行きつけ」の公園にしてよく遊んでいた。 公園は子どもだった私には …

駄菓子屋とおばあちゃん

家の3軒となりに駄菓子屋があった。竹トンボやメンコやリリアンなどが置いてあり、甘辛いタレをたっぷり付けた「いか串」も、丸くて大きな蓋のついたプラスチックのケースに入っていた。何本も束ねたひもの先にいろ …

傘を失くした。

夢の話なのか、現実に体験した出来事なのか。 その日の記憶さえ雨の中に溶けていきそうだ。 しかし、私の心には悲しみだけが確かな感情として残っている。 小学生の私は電車の中で傘を置き忘れた。降りてから気づ …

洗礼を受けた

わたしは、洗礼を受けるかどうか、受けていいものかどうか、その日、病院のベッドで天井を見つめながら考えていた。 曽祖父が僧侶であった。そして小さい頃から仏壇を大切にする家庭的雰囲気で育ってきた。線香を灯 …

喪失

月命日が来るたび、失くしたわが子の墓参りを何十年も続けてきたという男性に出会った。もう80代になっていただろうか。また、別の70代くらいの女性は、片道1時間ほどかかる道のりを毎日歩き、亡き夫の墓掃除と …

プロフィール

雨の公園 プロフィール

はじめて絵を描いた記憶は幼稚園の冬休み。カエルを描いて園に持っていくと、友だちから「雨の公園くん、お正月のお絵描きなのにカエルを描いてる」と笑われたので鮮明に覚えている。

高校の時つけ始めた日記の端に好きなアイドルの絵を鉛筆で描きうつす。これが私にとって“線”でなく“陰影”のみで描いたはじめての鉛筆画となった。日記は大学に入る頃まで7冊ほど書き溜めた。

自分の入院の経験を生かして描いた漫画『文化祭の夜』が小学館ヤングサンデーの新人増刊号の最終選考に残るもギリギリ掲載には至らず。生まれてはじめて漫画雑誌の「編集者」と呼ばれる人と出会う。

大手出版社から絵本を2冊商業出版するも絵で食べていくことは断念する。時を同じくし、大阪ミナミの戎橋(通称「ひっかけ橋)で路上似顔絵を描きながら大学院で旧約聖書の『ヨブ記』の解釈についての論文を書き、修士号を取得する。

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好きな絵かきさん
ギュスターヴ・カイユボット、紡木たく

好きな作家、文筆家
室生犀星、藤木正三

人物

風景その他