-
2020/07/18 -書評, 絵のこと、芸術のこと
前回の第1巻の冒頭について書いてから、しばらく続きを書けていない。まずは仕事が鬼ほど忙しいこともあるが、結局「書評を書くために再度読む」ことがいやなのだ。 紡木たくの世界――とりわけ『瞬きもせず』の世 …
-
2020/07/14 -絵のこと、芸術のこと
こいぬ 絵本 鉛筆画 早川義夫 たましいの場所「義兄は絵が上手だ。ものの形や表情をちゃんとつかんでいる。しかし、何だろう。じーんとは来ない。きっと、絵を描いているからで、自分を描いていないからだ。」(早川義夫著『たましいの場所』(ちくま文庫)よ …
-
2020/07/05 -書評, 絵のこと、芸術のこと
紡ぎたく、瞬きもせず、ホットロードこの1ページ目から音が聞こえる。夏のクラブの練習日。金属バットのノックの音。フェンスのこちら側は木陰になってて、向こうの広い校庭はあふれる光でまぶしくて見えない。球児たちの自転車か、その他の生徒たちの …
-
2020/07/01 -書評, 絵のこと、芸術のこと
ホットロード, 瞬きもせず, 紡木たくその日、雨が降っていてとくにすることもなかったので本屋に出かけた。目当ての本はなかったが、ぶらぶらと本棚を見て回ることはとても心地よかった。 1~2冊の新書を手に取ってレジに向かう途中、漫画本が平積み …
-
私は街に出て花を買ふと、妻の墓を訪れようと思つた。(中略)その花は何といふ名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかつた。(本文より) 深い悲しみが、静かで節度を持った言 …
-
2020/06/24 -子どもの頃
雨、雨の公園、名前、ノスタルジー公園の思い出はいくつかある。 実家の近所にもいくつかの公園があって、小学校の頃は近所に3つほど、少し足を延ばした隣町に2つほどの公園を「行きつけ」の公園にしてよく遊んでいた。 公園は子どもだった私には …
-
2020/06/21 -子どもの頃, 宗教哲学
子ども時代、駄菓子屋、悪家の3軒となりに駄菓子屋があった。竹トンボやメンコやリリアンなどが置いてあり、甘辛いタレをたっぷり付けた「いか串」も、丸くて大きな蓋のついたプラスチックのケースに入っていた。何本も束ねたひもの先にいろ …
-
2020/06/18 -子どもの頃, 宗教哲学
喪失、グリーフ、宗教哲学、キリスト教、悲しみ夢の話なのか、現実に体験した出来事なのか。 その日の記憶さえ雨の中に溶けていきそうだ。 しかし、私の心には悲しみだけが確かな感情として残っている。 小学生の私は電車の中で傘を置き忘れた。降りてから気づ …
-
わたしは、洗礼を受けるかどうか、受けていいものかどうか、その日、病院のベッドで天井を見つめながら考えていた。 曽祖父が僧侶であった。そして小さい頃から仏壇を大切にする家庭的雰囲気で育ってきた。線香を灯 …
-
2020/06/10 -宗教哲学
グリーフケア、お墓、スピリチュアルケア, 喪失月命日が来るたび、失くしたわが子の墓参りを何十年も続けてきたという男性に出会った。もう80代になっていただろうか。また、別の70代くらいの女性は、片道1時間ほどかかる道のりを毎日歩き、亡き夫の墓掃除と …