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仏さんにお願いしとき

この年になって、小さいころ母がよく言っていた言葉を思い出すようになった。それは「仏さんにお願いしとき」という一言だ。 子どもの頃、飼っていたカメを死なせてシュンとしている私を見て、母が「仏さんにお願い …

雨の降る造成地

もうずいぶん前のことになるが、ある人を見舞いに行った帰り、妻と西宮市郊外のレストランに入った。窓からは緑の田畑や空き地、少し向こうには遠く三田の町並みが、小雨に濡れて少し霞んで見えていた。見下ろせば住 …

マヨネーズを買って日が暮れる

夕暮れのあぜ道――。 小さい女の子がお父さんと手をつないで帰っていく。 遠くに小さく見える二人の後ろ姿。その向こうにはこんもりとした低い山。そのふもとの鳥居。どこまでもノスタルジックな里山の夕景――。 …

洗礼を受けた

わたしは、洗礼を受けるかどうか、受けていいものかどうか、その日、病院のベッドで天井を見つめながら考えていた。 曽祖父が僧侶であった。そして小さい頃から仏壇を大切にする家庭的雰囲気で育ってきた。線香を灯 …

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『ゴッホの手紙』

大学の神学部に籍を置きながら、週末は大阪・ミナミの戎橋(通称『ひっかけ橋』)で、路上似顔絵描きをした。キリスト教を学んでも牧師になる気持ちはなく、ただ人が死んでいくことの不条理を、神への信仰とその安ら …

プロフィール

雨の公園 プロフィール

はじめて絵を描いた記憶は幼稚園の冬休み。カエルを描いて園に持っていくと、友だちから「雨の公園くん、お正月のお絵描きなのにカエルを描いてる」と笑われたので鮮明に覚えている。

高校の時つけ始めた日記の端に好きなアイドルの絵を鉛筆で描きうつす。これが私にとって“線”でなく“陰影”のみで描いたはじめての鉛筆画となった。日記は大学に入る頃まで7冊ほど書き溜めた。

自分の入院の経験を生かして描いた漫画『文化祭の夜』が小学館ヤングサンデーの新人増刊号の最終選考に残るもギリギリ掲載には至らず。生まれてはじめて漫画雑誌の「編集者」と呼ばれる人と出会う。

大手出版社から絵本を2冊商業出版するも絵で食べていくことは断念する。時を同じくし、大阪ミナミの戎橋(通称「ひっかけ橋)で路上似顔絵を描きながら大学院で旧約聖書の『ヨブ記』の解釈についての論文を書き、修士号を取得する。

☆ ☆ ☆

好きな絵かきさん
ギュスターヴ・カイユボット、紡木たく

好きな作家、文筆家
室生犀星、藤木正三

人物

風景その他